移動脱水車について知りたいと思っている方へ、今回の記事ではその基本的な仕組みや種類から、具体的なメリットとデメリットまでを詳しく解説します。また、選び方や注意点についても解説します。
目次
移動脱水車とは
移動脱水車は、小規模下水処理場、集落排水処理施設、コミュニティプラントなど小規模排水処理施設で発生する汚泥を処理するための特殊な車両です。この車両は、汚泥を効率的に脱水するための装置が搭載されており、現場で迅速に処理を行うことができます。
また、災害時に排水処理施設で汚泥処理できないなど緊急時にも利用できます。 脱水処理の仕組みとして、スクリュープレスや多重板型スクリュープレスなどが使われます。
移動脱水車のメリット
移動脱水車の主なメリットは「コスト効率」「現場効率」「処理能力」です。
コスト効率の向上
移動脱水車は、コスト効率の向上にメリットがあります。汚泥処理施設を新設する場合、大規模な初期投資が必要です。しかし、移動脱水車を使用するとその初期投資を大幅に抑えることができます。処理したい汚泥が離れた場所で複数個所ある場合など、移動脱水車の巡回汚泥処理が最適です。
現場効率
移動脱水車には汚泥処理に必要な設備や発電機を備えており、現場ですぐに脱水処理を始めることができます。
処理能力
移動脱水車ヴァルート™MVシリーズでは、汚泥処理量に合わせて搭載する脱水機を選定することができます。
対応処理量:原水・余剰汚泥・凝集沈殿汚泥~90㎏-DS/h
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移動脱水車のデメリット
移動脱水車の主なデメリットは「車両の維持管理」です。
車両の維持管理
車両維持のための税金や、保険料、車検代、別途必要であれば駐車場代が発生します。また、燃料代や、タイヤなどの消耗部品代、修理費などが必要です。
移動脱水車の選び方と注意点
サイズと能力
移動脱水車を選ぶ際には、まずサイズと能力が重要です。処理する排水の量や種類によって最適な機種が異なります。
要素 | 注意点 |
処理量 | 処理しなければならない汚泥量に対応しているか確認。 |
現場のスペース | 現場に留め置ける車両サイズか確認が必要。 |
移動条件 | 狭い道や険しい地形でも問題なく移動できるかを確認。 |
メーカーとモデル
複数のメーカーとモデルを比較検討することも重要です。同じ処理能力でも、各メーカーの特色やオプション機能が異なるため、現場に最適な仕様を選びやすくなります。
- 操作のしやすさ:直感的に操作できる設計が重要。
- 維持コスト:消耗品のコストや交換頻度もチェック。
アフターサービスとサポート
購入後のアフターサービスとサポートも選定時の重要なポイントです。
サービス内容 | 確認ポイント |
緊急対応 | 迅速な対応ができるか。 |
定期メンテナンス | 定期的な点検サービスの有無と内容。 |
技術サポート | 技術者のサポートが充実しているか。 |
運転免許
車両総重量と積載量により、運転に必要な免許が異なります。
例えばアムコンの移動脱水車MVシリーズでは、MV-1の場合中型免許が必要ですが、MV-2、MV-3の場合は大型免許が必要です。
(平成29年3月12日施行「道路交通法の一部を改正する法律」による)
型式 | ベース車両 | 脱水機処理量 |
MV-1 | 積載量4tクラス (車両総重量8t未満) | ~20kg-DS/h (~2.0m3/h) |
MV-2 | 積載量8tクラス (車両総重量11t未満) | ~45kg-DS/h (~4.5m3/h) |
MV-3 | 積載量8tクラス (車両総重量11t未満) | ~90kg-DS/h (~9.0m3/h) |
まとめ
今回の記事では移動脱水車のメリット・デメリットについてご紹介しました。移動脱水車は、小規模排水処理施設においてコスト効率を向上させ、現場の効率化を実現します。今回の記事を参考に移動脱水車のご検討をしてみてはいかがでしょうか。
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