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レジオネラ属菌にご用心!
水質分析/各種環境分析

レジオネラ属菌にご用心!

2024.12.17

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レジオネラ属菌とは?

レジオネラ属菌とは、自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している細菌のことで、感染するとレジオネラ症を引き起こしてしまうことがあります。
レジオネラ属菌は、36℃前後の水温が発育至適温度です。
レジオネラ属菌に感染すると、重症化傾向の強い「レジオネラ肺炎」を発症することがあります。レジオネラ症の死亡率は16~30%と高く、国内では四類感染症に指定されています。

レジオネラ属菌を繁殖させないためには?

レジオネラ属菌の感染経路では主にエアロゾル感染とされていて、エアロゾルを発生させやすい人口環境水が汚染されることで感染源となります。これまでに、冷却塔水・温泉・噴水・加湿器・循環式浴槽などが感染源として多数報告されています。
レジオネラ属菌は、20℃以上、特に36℃前後の水が「停滞」または「循環」している環境で高い率での検出が確認されています。また、バイオフィルム [生物膜](※槽内や配管内部、ろ過機内部などを触ったときに感じる“ぬめり”)が形成されると、その中でレジオネラ属菌が増殖してゆき、水が汚染されてしまいます。
バイオフィルムは、消毒剤が浸透していかない特性を持っているため、物理的に除去する必要があります。
このような背景から、レジオネラ属菌を繁殖させないためには、「水を停滞させない」「定期的に清掃を行う」「レジオネラ属菌が繁殖していないか検査で確認する」ことが大切になります。

レジオネラ症 感染危険因子のスコア化

感染危険因子のスコア化とは、レジオネラ症に対する危険度を、①菌の増殖とエアロゾル化(空気中への飛散)、②吸入危険度、③人の感受性の3要因でスコア化したものです。

このスコアは感染危険度の目安であり、絶対的な安全性や危険性を示すものではありませんが、この危険度を可能な限り減少させるよう、スコアを参考に対応することが重要です。

感染危険因子の点数化

感染危険因子の軽重を考察し、下記のように点数で表します。

①菌の増殖とエアロゾル化の要因(1~3点)

  1. 給湯水など…1点
  2. 浴槽水、シャワー水、水景用水など…2点
  3. 冷却塔水、循環式浴槽水など…3点

②環境・吸入危険度(1~3点)

  1. 開放的環境(屋外など)…1点
  2. 閉鎖的環境(屋内など)…2点
  3. エアロゾル吸入の危険が高い環境…3点

③人側の要因(1~3点)

  1. 健常人…1点
  2. 喫煙者、慢性呼吸器疾患患者、高齢者、乳児など…2点
  3. 臓器移植後の人、白血球減少患者、免疫不全患者など…3点

具体例1
娯楽施設における給湯設備。蛇口は屋内にあり、乳幼児から高齢者までが手洗い、飲水などに使用。
 感染危険因子スコア ① 1点、② 2点、③ 2点    計5点

具体例2
循環式浴槽を使用している浴場施設。屋内施設ではあるが、エアロゾル吸入の可能性は否定できない環境にあり。入浴者は乳幼児から高齢者まで多彩。
 感染危険因子スコア ① 3点、②  2点、③  2点    計7点

具体例3
病院屋上に設置された冷却塔。冷却塔と外気取り入れ口が接近しており、気流の影響でエアロゾルが外気取り入れ口に流れ込む可能性がある。入院患者には臓器移植を受けた人なども含まれている。
 感染危険因子スコア  ①  3点、②  3点、③  3点    計9点

スコアに基づく対応

(1)推奨される細菌検査の対応等(スコアの合計点に基づく)

①5点以下:常に設備の適切な維持管理に心がける。必要に応じて細菌検査を実施する。
②6~7点:常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低1回の細菌検査を実施する。水系設備の再稼働時には細菌検査を実施する。
③8~9点:常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低2回の細菌検査を実施する。水系設備の再稼働時には細菌検査を実施する。

(2)レジオネラ属菌が検出されたときの対応

(ア)エアロゾルを直接吸引する可能性の低い人口環境水
100CFU/100mL以上のレジオネラ属菌が検出された場合には、直ちに菌数を減少させるため、清掃、消毒等の対策を講じる。また、対策実施後は、検出菌数が検出限界以下(10CFU/100mL未満)であることを確認する。

(イ)人がエアロゾルを直接吸引する恐れのあるもの(浴槽水、シャワー水等)
レジオネラ属菌数の目安値を10CFU/100mL未満とする。レジオネラ属菌が検出された場合には、前項と同様に対処する。

<留意事項>
・点数化はあくまでも目安(参考)として提示するものである。実際の管理は個々の水系施設の状況に応じて施設管理者の判断に委ねられている。
・すべての因子を細かく取り上げ点数化することは現実的ではなく、また、すべての人を対象にする場合には絶対的な点数化は不可能である。
・活用に際しては、可能性が否定できない、あるいは危険度に幅が認められる場合には、高い危険度点数で評価し対応することが望まれる。

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