あ行
「あ」から始まる用語
アース | 接地とも言い、電気設備機器や電路と大地を電気的に接続することで、身近なものでいえば、電子レンジや洗濯機など家電製品についている緑色の設置線(アース線)と金属棒など感電防止のために設けられている。 |
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アオコ |
富栄養化*の進んだ湖沼で、初夏から秋にかけて藻類が異常増殖して、湖沼水を緑色に変色することがある。この緑色の粉をまいたような現象をアオコという。アオコが発生すると透明度が低下し、藻類が死滅してカビ臭を発したり、肝臓毒、神経毒などの有害な化学物質を作るものがあり、湖水が水道の水源となっている場合上水道への利用が不適当となる。その上水中の溶存酸素を奪う為、水生生物、魚類の死亡例が多くあり、水産や観光上の被害をもたらす。 ※富栄養化:海水や川の水にふくまれる栄養分が自然の状態より増えすぎてしまうこと。洗剤や農薬、肥料などにふくまれる窒素やリンは、植物やプランクトンの栄養になる。そのため、洗剤や農薬などを含んだ水が川や湖などに大量に流れ込むことで富栄養化が起こる。
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浅井戸 | 井戸水が地下8メートル程度の深さまでの井戸のことを言う。 |
アスベスト | 石綿とも言われ、その繊維一本一本は目に見えないくらいの細長い天然の鉱物繊維で、主に断熱材などに使用されていたが、空気中に微細なアスベスト繊維(アスベスト粉塵)が放出されると呼吸とともに吸い込んで呼吸器系の健康被害があるとされ、現在では使用されていない。 |
圧着端子 | 電線の末端に取り付ける接続端子のこと。電線と端子に専用の工具(圧着レンチ)で固着させる。 |
圧力タンク | 上部に空気(空気口あり)、下部に水が入っており真中がゴム製のダイヤフラムで仕切られている密閉されたタンク。流体の圧力を蓄えておく装置のこと。 |
アニオン |
陰イオンのこと。アニオン系の凝集剤=陰イオン系の凝集剤 【関連用語】カチオン、ノニオン
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アミン(類) | アンモニアの水素原子を炭化水素残基Rで置換した化合物であって置換された炭化水素残基の数によって第1アミン、第2アミン、第3アミンの3種がある。悪臭物質のトリメチルアミン[(CH3)3N]は脂肪族第3アミンに属する。 |
アンカーボルト | 機器や架台をコンクリートの基礎などに固定させる場合に用いるボルト。ドリルで穴をあけたところに挿入しハンマーなどで打込む。 |
安全データシート | 化学製品を安全に取り扱う為に必要な情報(名称・製造企業名・化学物質の性状・取扱法・危険性や有害性の種類・安全対策・緊急時の対策など)を記載したもので、化学製品に係わる事故を未然に防止することを目的に、化学製品の供給事業者から取り扱い事業者へ、該当製品ごとに配布する説明書。 【略称・通称】SDS(Safety Data Sheet) |
アンモニア | 代表的な悪臭物質で、し尿臭・刺激臭がある。化学式はNH3。 常温で気体となり、水によく溶ける。工業的に窒素(N2)と水素(H2)から合成され、化学肥料、合成繊維、染料などの原料となり、また、天然のアンモニアは生体やその排泄物などの分解、腐敗によって発生する。 アンモニアの合成・工業的な利用が行われる事業場や、生体等に由来するアンモニア発生のおそれのある事業場(畜産事業場、化製場、し尿処理場、ごみ処理場など)においては、悪臭の原因となるアンモニアに注意を要する。 |
「い」から始まる用語
一般廃棄物 | 産業廃棄物以外の廃棄物。家庭からのゴミ(生活系ゴミ)と事業所等からのゴミ(事業系ゴミ)に大別され、自治体ごとに分別基準が選定されている。 |
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異物 | 普通とは違ったもの、違和感を与える奇異なもの、通常その中には存在しないものの総称。破片のようなもの。 |
インチング | 電動機の起動・停止を短時間に繰り返すこと。寸動運転ともいう。 |
インバーター制御 | インバーターを用いて、可変の電圧・周波数の交流電源により、電動機の速度制御をすること。周波数制御とも言う。 |
「え」から始まる用語
衛生器具 | 建物内のトイレ、浴室、厨房などで直接人と接して水・お湯の供給や汚水・汚物の排出などに使われる器具であり、給水栓・洗浄弁・ボールタップ・大便器・小便器・洗面器などがある。 |
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液面リレー | 電極に液体が接触すると、液体を通して電気が流れることを利用した液面レベルの検出器。電動機の空転防止用、給水・排水の自動運転用などがある。 |
塩化第二鉄 | 無機凝集剤として使用される。SUS304では耐食性はなく、溶けてしまう。 【通称・略称】塩鉄(えんてつ) |
「お」から始まる用語
オートカット | 電動機の運転電流が定格を超えて巻線が異常に発熱した場合、その熱を感知して電源回路を遮断する保護装置のこと。電動機の出力7.5kW以下に用いる。電動機の巻線を含めた内部の温度が下がると自動的に電気回路が復帰するようになっている。 |
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オーバーホール | 機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のこと(要するに、解体点検・修理調整) 【略称・通称】OH |
オキシデーションディッチ法 | オキシデーションディッチ法循環水路に曝気装置を設けた活性汚泥法で、水路の一部から処理水を直接取り出す方式と沈殿槽を設けるものがある。最近では、曝気装置の配置を工夫し、好気および嫌気域を作りだしpHの低下を防止するとともに、窒素除去を行う方式が主流となっている。 【略称・通称】OD法 |
汚泥 | 一般的には、水中の浮遊物質が沈殿または浮上して泥状になったものを指し、工場排水や下水、浄水などの水処理施設の沈殿槽などで水から分離された汚濁物が泥状化したものや、河川や湖沼の水底に沈殿している底質などがある。これらの微細な固形物と水との混合物である汚泥は、もっともありふれた産業廃棄物。 |
か行
「か」から始まる用語
加圧浮上処理 |
圧力をかけて空気を水に溶解させ、減圧することで発生する微細な気泡に水中の固形物等を付着させ、その浮力で固形物を強制的に浮上させる処理方法。炭酸飲料の蓋を開けた瞬間に微細な気泡が発生するのと同じ原理。 【略称・通称】DAF(Dissolved Air Flotation) 【関連用語】凝集沈殿法 |
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回転円板法 | 汚水の微生物処理法の1つ。回転する円盤の一部を汚水に、他方を外気に触れさせることによって、円盤の表面に微生物の膜を作り、汚水の有機物を分解させる方法。生物膜法に分類される。 |
化学的酸素要求量 | 水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、水質の有機物による汚濁状況を測る指標となる。CODとBODではCODの方が高くなる傾向にある。 【略称・通称】COD(Chemical Oxygen Demand) |
カチオン | 陽イオンのこと。カチオン系の凝集剤=陽イオン系の凝集剤 【関連用語】アニオン、ノニオン
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活性汚泥 | 好気的条件下で微生物を凝集させた「活性汚泥」を汚水中に分散し、汚泥中の微生物の働きにより有機物を除去する処理技術。余剰の汚泥は浄化槽から引き抜き、処理することになる。 |
活性汚泥懸濁(浮遊)物質 | 曝気槽内の活性汚泥の濃度を表す。標準活性汚泥法で,1,000~2,000mg/L、OD法で2,000~5,000mg/L程度が多い。 【略称・通称】MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids) |
環境アセスメント | 道路やダム事業など、環境に著しい影響を及ぼす恐れのある行為について、事前に環境への影響を十分調査、予測、評価して、その結果を公表することで、地域住民等の関係者の意見を取り入れながら、環境配慮を行う手続を総称して環境アセスメントという。 |
含水率 | 物質に含まれる水分(単位:%)。汚泥などでは含水率の水以外のものはTSという。(TSの項参照) |
「き」から始まる用語
凝集沈殿法 | 汚水に凝集剤を添加し、浮遊物質の径を大きくすることで沈降速度を速め、浮遊物質と上澄みを分離する方法。 【関連用語】加圧浮上処理
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強熱減量物 | TSを600℃で強熱して、揮散する物質=有機物の量の目安。脱水性能を左右する因子の一つで、VTSが多いほど脱水ケーキの含水率が下がりにくい傾向にある。多いと絞りにくい。 【略称・通称】VTS(Volatile Total Solids) |
強熱残留物 | TSを約600℃で強熱灰化したときに残留する物質(無機物)。 |
漁業集落排水(処理施設) | 農業集落や漁業集落において、し尿や生活雑排水などの汚水を収集するための管路施設や、汚水を処理するための汚水処理施設、発生した汚泥を処理する施設を整備するもの。 【略称・通称】漁集(ぎょしゅう) |
「く」から始まる用語
グリストラップ | 油脂分離阻集器のこと。業務用の厨房にはグリストラップの設置が義務付けられている。排水に含まれる油脂や生ゴミなどの汚濁物質を分離収集して一時留めておくことにより、これらが直接下水道に流出するのを防ぐ機能を果たしている。 |
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「け」から始まる用語
嫌気(性) | 酸素がないまたは必要ない状態。嫌気状態、嫌気性菌(酸素がなくても育つ微生物)汚泥を消化する場合や、メタン発酵する場合はこの状態にする。この状態での発酵速度は遅く、臭気(硫化水素など)が発生する。
【関連用語】好気(性)
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嫌気性発酵 | 酸素のほとんどないところでも生育できる細菌などの微生物の働きによって、高分子の有機物が低分子の有機酸に分解(酸発酵)され、さらにメタンガスと二酸化炭素・水素などに分解(メタン発酵)されることをいう。 メタン発酵に係わるのは、メタン生成細菌であり、湖沼・内湾などの底泥における堆積有機物の分解や下水汚泥の嫌気性消化が例として挙げられる。 【関連用語:嫌気性消化法】 長所:曝気エネルギーが不要で、生成する汚泥量も少ない 短所:COD除去率が低い、滞留時間が大きい 【関連用語】好気性発酵
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「こ」から始まる用語
好気(性) | 酸素があるまたは必要とする状態。好気性菌(酸素のあるところでよく育つ微生物)この状態での発酵速度は速く、臭気はない。
【関連用語】嫌気(性)
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好気性発酵 | 空気(酸素)のある状態で活動する微生物の働きで有機物を分解させること。また、分解の際に熱を発するので、コンポストなどはこの熱を利用して菌や寄生虫の卵などを不活性化している。 長所:有機物をCO2とH2Oに分解する為、臭いはない 短所:微生物が活発に成長する為、活性汚泥などの汚泥量は増える。 【関連用語】嫌気性発酵
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公共下水道 | 主として市街地における下水を排除し、又は処理する為に地方公共団体が管理する下水道で、終末処理場を有するもの又は流域下水道に接続するものであり、かつ汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗渠である構造のものをいう。 |
高度処理 | 通常の処理より高度な処理。排水処理の場合は窒素・リンの除去や染色物質の除去など、BOD除去にとどまらない高度な処理をすることをいう。 |
コミュニティプラント | 厚生労働省管轄の集中浄化槽のこと。大規模宅地開発により汚水処理を一括して行う施設のことで、これにより、各宅地に浄化槽はいらなくなる。また、公共下水道が整備されたときには、浄化槽の流入口を下水道に接続するだけで、利用可能になる利点がある。 |
混合生汚泥 | 生汚泥と余剰汚泥を混合したもの。 |
コンポスト | 生ごみや下水汚泥、浄化槽汚泥、家畜の糞尿、農作物廃棄物などの有機物を、微生物の働きによって醗酵分解させ堆肥にしたもの。 |
さ行
「さ」から始まる用語
最終沈殿池 | 反応タンクでの生物処理により発生する汚泥と処理水を沈ませて分解する為の施設。上澄み水は消毒して、川や海に放流する。 |
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最初沈殿池 | 下水中の有機物を主体とする比重の大きい固形分を沈ませる(一次処理と呼ばれる)ための施設。 【略称・通称】初沈(しょちん) |
産業廃棄物 | 事業活動に伴って生ずる廃棄物のことで、燃え殻、汚泥、廃油・廃酸・廃アルカリなど計20種類の廃棄物。 【略称・通称】産廃 |
散水濾床法 | 間欠的または連続的に下水あるいは工場廃水をろ過材表面に散布し、ろ過材表面に形成された生物膜と接触反応させる固定床(微生物が生えて固定された状態)による処理法である。ろ過材はφ35~100mmの砕石または砂利を用いる。散水方式には固定式と可動式の2形式がある。 |
「し」から始まる用語
し尿処理場 | 厚生労働省管轄の、浄化槽から出た余剰汚泥と汲み取り式便所より出るし尿を処理する処理場。 |
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重金属 | 金、白金、銀、水銀、クロム、カドミウム、鉛、鉄など、比重が4~5以上の金属を重金属という。重金属は毒性が強いものが多く、それらは微量であっても繰り返し摂取した場合、体内で蓄積され、人体に有害となる。
【対義語】軽金属:アルミなど
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集合処理 | 下水道のように複数戸からの汚水を管渠で集約的に処理する汚水処理方式。(例:下水道や農業集落配水施設による処理)
【対義語】個別処理:個々の発生源ごとに(敷地内で)処理した処理水を放流する汚水処理方式。(例:合併処理浄化槽)
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重力濃縮 | 汚泥を槽に流し込んで静置しておき、浮遊物質が沈むのを待ってその沈殿物を回収する方法。重力で濃縮する方法。 |
浄化槽 | 水洗トイレ汚水(し尿)と、台所や風呂、洗濯などの生活雑排水を、微生物の働きにより浄化処理する装置。処理水は終末処理下水道以外に放流される。市町村の設置する「し尿処理施設」は含まない。具体的には、1戸建ての住宅で利用される家庭用浄化槽から、集合住宅や住宅団地、集落で利用される共同排水処理施設(コミュニティプラント)などをさす。し尿のみを処理する「単独浄化槽」(生活雑排水は未処理で放流)と、生活雑排水もあわせて処理する「合併浄化槽」の2種類があるが、浄化槽法(1983)の改正等によって、単独浄化槽の新設は実質的に禁止されている為、現在では浄化槽といえば合併浄化槽を意味するようになってきている。下水道と同レベルの浄化能力を持ち、原排水の汚濁物質の9割方は除去される。設置に際しては、国と自治体の補助金交付制度が適用され、個人負担を軽減している。 |
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 | 食品製造工程から出る材料くずや売れ残った食品、食べ残しなどの「食品廃棄物」を減らし、リサイクルを進めるため、生産者や販売者などに食品廃棄物の減量・リサイクルを義務付けた法律。2000年制定。農林水産省・環境省所管。同法は、食品廃棄物を年間100トン以上出す製造、小売、飲食業者などに対して、食品廃棄物等の再生利用、発生抑制、減量などを促進するよう義務付けた。 【略称・通称】食品リサイクル法 |
「す」から始まる用語
水質汚濁防止法 | 公共用水域に排出される水の保全に関する法律(1958)及び工場排等の規制に関する法律(1958)を廃止して、1970年に制定された。環境省所管。水質汚濁防止を図る為、工場及び事業場からの公共用水域への排出および地下水への浸透を規制。さらに生活排水対策の実施を推進。国民の健康を保護し、生活環境を保全することを目的としている。工場及び事業場から排出される汚水及び廃液により人の健康に係る被害が生じた場合、事業者の損害賠償の責任を定め、被害者の保護を図ることとしている。なお、同法で規制される「排出水」は、特定事業場から公共用水域に排出される水。 |
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スカム | 嫌気ろ床槽や沈殿槽等の水面に浮上した固形物。あまり多い場合は処理がうまくいっていない可能性が高いと考えられる。 【関連用語】加圧浮上処理
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スクリーン | 処理場などで、水処理前に水中のごみやしさを除去する為の掻き取り機器。 |
砂ろ過 | 砂の層からなるフィルター・浮遊物除去装置。多層ろ過の場合には、ろ過する流体の上流側に粗い粒子あるいは密度の小さい粒子を充填する。 |
「せ」から始まる用語
生活排水 | 便所、台所、風呂、洗濯および炊事等の家庭生活を営む上で排出される汚水のことで、公共用水域に排出されるもののうち産業排水を除いたもの(水質汚濁防止法、1970年 より)。生活排水の中でし尿を除いたものを生活雑排水という。排水中の窒素やリンによる富栄養化など水質汚濁の原因として生活排水の寄与が大きくなり、生活雑排水を未処理で放流する単独処理浄化槽に替わって、下水処理施設の完備や合併浄化槽の普及が望まれる。 | |
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生物化学的酸素要求量 | 水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。汚れているものほど微生物の酸素消費が多いということを利用した指標である水処理施設に流入する流入水のBODの量からおおよその汚泥量を算出することができる重要な指標である。BODが高いと溶存酸素が欠乏しやすくなり、10mg/L以上で悪臭の発生等がみられる。 【略称・通称】BOD(Biochemical Oxygen Demand) |
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生物処理 | 汚水中の有機物を微生物に取りこませることで浄化する処理方法。 | |
生物膜(法) | ある器物の表面に微生物を付着させた状態。生物を使用する汚水処理法のうち、担体の表面に微生物を付着させ、汚水中の有機物などを取り込ませることによって処理する方式。汚泥法より、様々な生物が活動するのに有利とされている。 | |
ゼロエミッション | あらゆる廃棄物を原材料などとして有効活用することにより、廃棄物を一切出さない資源循環型の社会システム。1994年に国連大学が提唱した考え方。狭義には、生産活動から出る廃棄物のうち最終処分(埋め立て処分)する量をゼロにすること。具体的には、生産工程での歩留まり(原材料に対する製品の比率)を上げて廃棄物の発生量を減らしたり、廃棄物を徹底的にリサイクルする。国内では、環境管理の国際規格ISO14001の普及や埋め立て処分費用の上昇とあいまって、工場のゼロエミッションに取り組む企業が増えた。 | |
繊維状物質 | 0.075mm(200メッシュ)または0.15mm(100メッシュ)の標準ふるい目の残る浮遊性物質である。VTSと並んで脱水性能を左右する因子で、繊維状物質が多いほど含水率が下がる傾向にある。 | |
全蒸発残留物(および含水率) | 試料を蒸発乾固させ、105~110℃で2時間(試料量によっては時間をかける)乾燥したときの残留物質がTSである。また、蒸発した水の量から含水率を算出する。TSは、排水中の含有成分の全量を推定するのに用いられる。また、SSとの差から塩類の含有量を大まかに予測できる。脱水機では、汚泥のTSやケーキ含水率から固形物処理量を算出する。 【略称・通称】TS(Total Solids)
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た行
「た」から始まる用語
脱水ケーキ | 汚泥や水中混濁物質等を脱水機にかけて水分を除去した後に残った物質。 | |
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脱リン | 水域の富栄養塩化を防ぐ為に、排水中の各種状態のリン化合物(主に無機または有機リン酸塩)を除去すること。除去法として生物学的方法と物理化学的方法とがある。物理的方法として、アルミニウム塩、鉄塩、カルシウム塩等の凝集剤を加えてリンを不溶性の塩として沈殿除去する凝集沈殿法等がある。生物学的方法として、好気的に微生物の栄養塩として高濃度に取り込ませた後、沈殿槽で汚泥として系外に取り出したり、嫌気槽でリンを放出させ、凝集剤を添加して共に最終沈殿池で除去する同時凝集沈殿法がある。 |
「ち」から始まる用語
中水 | 雨水や排水を再生処理してトイレや散水に利用する水のリサイクルシステム。節水技術によって、限りある水資源を活かす。上水と下水の中間に位置することから中水といわれている。中水はトイレ洗浄水、冷却用水、河川や用水路、淡水湖補給水、植栽散水用水、庭への散水として再利用される。下水処理によりきれいになった再生水は、都市内に存在する貴重な水資源となる。 |
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「と」から始まる用語
特定環境保全下水道 | 自然公園区域内の水質保全の為の自然保護下水道と、生活環境改善の為の農山漁村下水道の総称。 【略称・通称】特環(とっかん)
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な行
「な」から始まる用語
生汚泥 | 最初沈殿池で沈殿した汚泥。処理は全くされていない。処理前の為、ほぼ夾雑物を取り除いた原水の沈降物である。 |
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「に」から始まる用語
二次処理水 | 最終沈殿地の上澄みを砂濾過をし、消毒した処理水。トイレの水や植物への水やりに使用可能。 | |
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日本下水道事業団 | 下水道事業の事業主体である地方公共団体の下水道整備や運営を支援・代行している地方共同法人。 |
「の」から始まる用語
農業集落排水 | いわゆる農村の下水道であり、農業集落排水事業はそのための施設を整備する事業。 農業集落におけるし尿・生活雑排水等の汚水、汚泥または雨水を処理する施設の整備を行うことにより、公共水域の水質汚濁防止や悪臭の防止や蚊などの発生を抑えるなど生活環境の改善に貢献している。 【略称・通称】農集(のうしゅう)
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ノニオン | 非イオンのこと。ノニオン系の凝集剤=非イオン系の凝集剤 【関連用語】アニオン、カチオン
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ノルマルヘキサン抽出物 | 動植物油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質などの脂肪酸誘導体、ワックスグリース、石油系炭化水素等の総称で、溶媒であるn-ヘキサンにより抽出される不揮発性物質を指す。水中の「油分等」を表わす指標として用いられ、その中には農薬、染料、フェノール等も含む。 【略称・通称】ノルヘキ
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は行
「は」から始まる用語
廃棄物処理法 | 廃棄物の定義や処理責任の所在、処理方法・処理施設・処理業の基準などを定めた法律。環境省所管。同法は、廃棄物を「自ら利用したり他人に売ったりできない為不要になったもので、固形状または液状のもの」と定義し、産業廃棄物と一般廃棄物に分類した。廃棄物の処理については、産業廃棄物は排出事業者が処理責任をもち、事業者自らか、または排出事業者の委託を受けた許可業者が処理する。一般廃棄物は市町村が処理の責任をもつ。 | |
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曝気 | 下水処理で、微生物が有機物を分解するのに必要な酸素を供給する為に、空気を吹き込んだり攪拌したりすること。ぶくぶく。 | |
曝気槽(ばっきそう) | 活性汚泥と下水を混合し、エアレーションをすることで、下水中の有機物を微生物に分解させる為の施設。 |
「ひ」から始まる用語
標準活性汚泥法 | 活性汚泥と呼ばれる微生物を含んだ泥と下水が混合された状態に空気を吹き込むことにより、微生物が下水中の有機物を吸着・分解する働きを利用して下水を処理する方法。標準法ともいう。 |
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「ふ」から始まる用語
浮遊物質 | 水中に浮遊している物質をいう。ろ紙法(汚水をφ1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、そのろ紙に残った粒子の乾物重量(単位:mg/φ))と遠心分離法があり、対象物によって使い分ける。排水中の浮遊物質は汚濁の有力な指標であり、水処理では汚泥発生量に関係し、脱水機では、対象汚泥やろ液SSの値から薬品添加率、処理量、回収率等を算出する。 【略称・通称】SS(Suspended Solids)
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プレハブOD法 | OD法をプレハブ建築のように組み立てて簡単に水処理施設が作れるようにしたこと。 【略称・通称】POD
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「へ」から始まる用語
ヘキサン抽出物質 | 簡単にいうと油分のことである。動植物性油脂、グリース等の不揮発性油分をノルマルヘキサンによって抽出し、80±5℃で30分間乾燥しても揮散しないものをいう。活性汚泥処理に影響を及ぼす因子の1つであり、処理水に多く含まれて河川に放流されると魚等に影響する。対象汚泥が加圧浮上フロス等の場合、汚泥やろ液を測定し含油状況を把握する。 【略称・通称】ヘキサン
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「ほ」から始まる用語
ポリ塩化アルミニウム | 無機凝集剤として使用される。 【略称・通称】PAC
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ポリ硫酸第二鉄 | 無機凝集剤。赤褐色の液体で比重は1.45。塩化第二鉄と比べて腐食性がはるかに少ないのが特徴。 【略称・通称】ポリ鉄
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ま行
「ま」から始まる用語
膜分離 | 汚水処理技術のうち、半透膜などを用いて物理的に汚水と浄水を分離する技術。極めてきれいな排水を得ることが可能だが、同時に汚水も発生する。 |
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や行
「よ」から始まる用語
余剰汚泥 | 曝気槽で下水を処理すると、微生物が有機物を取りこみ水は浄化されるが、微生物そのものは増殖する。増殖した結果、過剰な汚泥は引き抜いて廃棄をする。その余剰分の汚泥を言う。 |
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ら行
「ら」から始まる用語
ラグーン | 廃液を広い池に1日ないし数か月滞留させ、以下のような多方面の目的に用いられる池のこと。 汚水の最大流量時の為の流量調節をさせること / 汚水を普通沈澱法と同様に沈澱させること / 底部の土質を多孔質にして脱水させること / 薬剤処理液の反応を完結させること / 汚水の生物による分解を行なわせること / 自然蒸発を行なわせること | |
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ラグーン法 | 汚水を池の中に数日から数十日といった長時間滞留させ、沈殿と微生物の力により浄化する排水処理の1種である。通常は自然の沼などを利用することから終末下水処理場などと比べ、建設費も安く、エネルギー消費も極めて少ない処理手法であるが、所要面積は大きくなる。 |
「り」から始まる用語
リーク | 漏れること。当社汚泥脱水機ヴァルート™においては、シリンダーの内側から外側へ汚泥が流れ出る現象を指す。 | |
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流域下水道 | 下水道により排除される下水を処理する為地方公共団体が管理する下水道で、市町村の枠を越え二つ以上の市町村の区域における下水を、広域的かつ効率的に排除するものをいう。流域下水道は幹線管渠と終末処理場の基幹施設からなり、都道府県が設置・管理している。個々の過程から排出される下水は市町村が設置・管理し、流域関連公共下水道を経て流域下水道である幹線管渠に接続される。 | |
流量調整槽 | スクリーンを通すことで大きな夾雑物が取り除かれた流入下水の流量を調整し、その後の最初沈殿池への流入水量を一定に保つ為の施設。 |
「れ」から始まる用語
礫間接触曝気法 | 槽に礫を敷き詰め、そこに汚水を流し込みエアレーションをすることで、礫の表面に生物膜が発生し、その微生物によって汚水の有機物を浄化する方法。 |
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ABC行
「A~N」から始まる用語
BOD(Biochemical Oxygen Demand) | 生物化学的酸素要求量。水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。汚れているものほど微生物の酸素消費が多いということを利用した指標である水処理施設に流入する流入水のBODの量からおおよその汚泥量を算出することができる重要な指標である。BODが高いと溶存酸素が欠乏しやすくなり、10mg/L以上で悪臭の発生等がみられる。 | |
---|---|---|
COD(Chemical Oxygen Demand) | 化学的酸素要求量。水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、水質の有機物による汚濁状況を測る指標となる。 | |
DAF(Dissolved Air Flotation) | 加圧浮上処理。圧力をかけて空気を水に溶解させ、減圧することで発生する微細な気泡に水中の固形物等を付着させ、その浮力で固形物を強制的に浮上させる処理方法。炭酸飲料の蓋を開けた瞬間に微細な気泡が発生するのと同じ原理。 【関連用語】凝集沈殿法
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JARUS(じゃるす) | 旧㈳日本農業集落排水協会。現㈳地域資源循環技術センター。 この社団法人が認定した処理方式をJARUS-●型と呼ぶ。 | |
MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids) | 活性汚泥懸濁(浮遊)物質。曝気槽内の活性汚泥の濃度を表す。標準活性汚泥法で,1,000~2,000mg/L、OD法で2,000~5,000mg/L程度が多い。 |
「O~Z」から始まる用語
OD法 | オキシデーションディッチ法。オキシデーションディッチ法循環水路に曝気装置を設けた活性汚泥法で、水路の一部から処理水を直接取り出す方式と沈殿槽を設けるものがある。最近では、曝気装置の配置を工夫し、好気および嫌気域を作りだしpHの低下を防止するとともに、窒素除去を行う方式が主流となっている。 | |
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OH | オーバーホール。機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のこと(要するに、解体点検・修理調整) | |
PAC | ポリ塩化アルミニウム。無機凝集剤として使用される。 | |
POD | プレハブOD法。OD法をプレハブ建築のように組み立てて簡単に水処理施設が作れるようにしたこと。 | |
SDS(Safety Data Sheet) | 安全データシート。化学製品を安全に取り扱う為に必要な情報(名称・製造企業名・化学物質の性状・取扱法・危険性や有害性の種類・安全対策・緊急時の対策など)を記載したもので、化学製品に係わる事故を未然に防止することを目的に、化学製品の供給事業者から取り扱い事業者へ、該当製品ごとに配布する説明書。 | |
SS(Suspended Solids) | 浮遊物質。水中に浮遊している物質をいう。ろ紙法(汚水をφ1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、そのろ紙に残った粒子の乾物重量(単位:mg/φ))と遠心分離法があり、対象物によって使い分ける。排水中の浮遊物質は汚濁の有力な指標であり、水処理では汚泥発生量に関係し、脱水機では、対象汚泥やろ液SSの値から薬品添加率、処理量、回収率等を算出する。 | |
TS(Total Solids) | 全蒸発残留物(および含水率)。試料を蒸発乾固させ、105~110℃で2時間(試料量によっては時間をかける)乾燥したときの残留物質がTSである。また、蒸発した水の量から含水率を算出する。TSは、排水中の含有成分の全量を推定するのに用いられる。また、SSとの差から塩類の含有量を大まかに予測できる。脱水機では、汚泥のTSやケーキ含水率から固形物処理量を算出する。 | |
VTS(Volatile Total Solids) | 強熱減量物。TSを600℃で強熱して、揮散する物質=有機物の量の目安。脱水性能を左右する因子の一つで、VTSが多いほど脱水ケーキの含水率が下がりにくい傾向にある。多いと絞りにくい。 |