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汚泥濃縮機を比較|特徴、選び方
汚泥処理関連装置/水処理用薬品

汚泥濃縮機を比較|特徴、選び方

2024.08.08

  • 汚泥処理方法
  • 汚泥濃縮機

「汚泥濃縮機ってどんな種類があるの?」「うちの工場にはどの汚泥濃縮機が最適なの?」そんな疑問をお持ちの担当者様へ。汚泥濃縮機の種類ごとの特徴、選び方をご紹介します。

汚泥濃縮機とは

下水処理場や各種工場の排水処理プロセスにおいて発生した固形物濃度0.4~2%程度の汚泥を、4%前後の濃度まで高めることを 汚泥濃縮と呼びます。
汚泥濃縮機の役割は、下水処理場では汚泥脱水工程や消化のプロセスを効果的に機能するための前段の工程として、ホテルや大型商業ビルの除害設備や中水道設備では汚泥のバキューム排出量(処分量)を抑えることを目的に導入されることがほとんどです。固形物濃度1%の汚泥を4%まで濃縮した場合、汚泥の排出量を1/4に減らすことができ、汚泥処理コストの削減や効率化に貢献します。

汚泥濃縮機のメリット

汚泥濃縮機を導入することで、様々なメリットがあります。
主なメリットは以下の通りです。

  • 汚泥処理コストの削減
  • 汚泥処理施設の負荷軽減
  • 環境負荷の低減
  • 処理効率の向上

汚泥処理コストの削減

汚泥濃縮機によって汚泥の体積を減らすことで、汚泥の輸送、処理、処分にかかる費用を大幅に削減できます。処理費用は濃縮機の導入コストを上回る場合が多いため、長期的に見ると大きなコストメリットが期待できます。
また、都心の商業施設では地下に汚泥処理施設があることが多く、脱水ケーキを容易に搬出できない場合でも、バキューム搬出が可能な濃縮汚泥とすることで、搬出汚泥量を削減することができます。

汚泥処理施設の負荷軽減

汚泥量が減ることで、後段の汚泥脱水機や焼却炉などの処理施設の負荷を軽減できます。設備の長寿命化にも繋がり、結果として維持管理コストの削減にも貢献します。

環境負荷の低減

汚泥の発生量自体が抑制されるため、処理に伴う環境負荷(CO2排出量など)を低減できます。また、濃縮された汚泥は資源やエネルギーとして有効活用できる可能性も広がります。

処理効率の向上

汚泥の濃度が高まることで、後段の処理工程における効率が向上します。特に、汚泥脱水機の処理能力が向上することで、処理時間の短縮や薬品使用量の削減などが期待できます。

汚泥濃縮機の選び方

汚泥濃縮機を選定する際には、以下の要素を総合的に検討する必要があります。

  • 処理能力
  • コスト(導入・ランニング)
  • 設置スペース

処理能力

1日に処理する必要のある汚泥の量(m3/日)、処理する汚泥の濃度や、目標とする濃縮度も考慮する必要があります。装置の処理能力が不足すると、汚泥処理が追いつかず、工程全体に影響を及ぼす可能性があります。

導入コスト

汚泥濃縮機の導入コストは、機種や処理能力、設置工事費などによって大きく異なります。予算に合わせて、最適な機種を選ぶことが重要です。

ランニングコスト

汚泥濃縮機の運転には、電力、薬品、メンテナンスなど、様々な費用が発生します。長期的な視点でコストを検討することが重要です。

設置スペース

汚泥濃縮機を設置する際には、必要なスペースを確保する必要があります。機種によって必要な設置面積は異なるため、事前に設置場所の広さを確認しておきましょう。

汚泥濃縮機の種類と特徴

汚泥濃縮機の種類と特徴をご紹介します。
濃縮方法には、①重力濃縮と②機械濃縮があります。

①重力濃縮

汚泥の比重差を利用して濃縮を行う最もシンプルな構造の濃縮法です。汚泥を濃縮槽に投入し、重力により沈殿した濃縮汚泥を底部から引き抜きます。
汚泥性状の影響を受けやすく、また、滞留期間が長くなると汚泥が腐敗し臭気の懸念があります。

②機械濃縮

Ⅰ. ベルト式濃縮機

ベルト式濃縮機は、走行するベルト上に凝集汚泥を投入し、重力濾過によって汚泥の濃縮を行います。濃縮原理や機械の構造がシンプルで運転調整が容易ですが、運転中のベルト洗浄が常時必要なため、洗浄水量が多くなります。

Ⅱ. 遠心式濃縮機

遠心式濃縮機は、高速回転で発生する遠心力を利用して汚泥を濃縮します。回転筒内部にスクリューコンベアが備わっており、沈降した濃縮汚泥を搬送・排出します。密閉構造のため臭気は少ないですが、高速回転のため大きな動力を必要とします。

Ⅲ. 多重板型スクリュープレス濃縮機

スクリューの回転によって汚泥を圧縮し濃縮を行う圧縮式機械濃縮で、本体がコンパクトで設置面積が小さく、スクリューの回転が極低速のため電力消費が極めて少ないのが特徴です。

汚泥濃縮機ヴァルート™について、詳しくはこちら→

機械濃縮では、重力濃縮では得にくい安定した濃縮汚泥を排出することができます。

まとめ

この記事では、汚泥濃縮機の比較についてご紹介しました。各種特徴が異なります。
今回の記事を参考に汚泥濃縮機をご検討ください。

 

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